昔読んだ、唯川恵さんの「愛しても届かない」という小説。
簡単に言うと、女子大生の三角、四角関係といった、恋愛ものの小説だ(簡単に言いすぎ)。
内容もさることながら、印象に残っている一文がある。
主人公が、元カレだったか恋のライバルだったかと顔を合わせたくなくて、大学のキャンパス内で避けているときの描写。
「しかし対象を避けるということは同時に、常に対象を視界の片隅に入れておくということと同じであった。」
そんな感じの一文。手元に本がないので、原文ママではないです、ごめんなさい。
なんというパラドックス!
でもなるほどな、そうだな、そういうことだな。
誰かを、何かを完璧に避けようとするなら、常にその対象が自分に迫ってきていないか見張っていなければいけない。
レーダーを張る必要がある。
それは結局、頭の中にいつも、その対象を住まわせているということ。
常に避けたい対象を意識しているということ。
ああしんど。
なんのことはない、避けたいはずの相手と、ずっと一緒にいることになるのだ。
これは、引き寄せの法則的にも大変危険。
常に意識を向けているものを引き寄せてしまうのだから。
会いたくない人に限って、会いたくないときに限って、会ってしまう現象は、こういう原理なのだ(笑)。
ではどうすればいいか。
対象のことを考えないようにしましょう。
それができないんだよ!
うーんごめん、明確な答えはわからないけど……
私だったら、会ったらどうなるのか考えるかな。
よくよく考えたら、イヤな気分にはなるかもしれないけど、それで終わり。
いやだな。でも永遠に一緒にいるわけでもないし。
さらっとあいさつでもして去ればいいだけのことか。
そう思えば、会ったところで大丈夫なことに気づく。
会いたくはないけど、会ってもまあいいかというところまで持っていける。
そしたら意識が対象から離れる。
気が楽になるし、引き寄せにくくもなる(笑)。
あなたが避けている人はいますか?
「愛しても届かない」かはわからないけど、「避けたら届いちゃう」。
おためしあれあれ。