【ご相談】心理学の本を読んで、自分には問題があると知りショックです。ー問題の大きさは、かならずしも問題そのものに起因するのではなくー
‘それなりに’うまくいっている→を→‘おもいっきり’しあわせに
こんにちは、カウンセラーいなこです。
10月のカウンセリングは、
9月30日(木) 20:00〜
受け付けいたします!
縁あるあなたとお話しできることを楽しみにしております(^▽^)
少し雨は降ったものの、涼しくおだやかなお天気のお休みが終わり、バタバタの月末業務ウィークに突入です(TT)
ブログどれだけ更新できるかな。
みなさま今週もぼちぼちやりましょう。
さて、新しい知識、特に心理学や自己啓発系の知識を得ると、「あれ、これは私のことではないか?私にはこういう問題がある!」と、自分の中のある部分を「問題」と認識して、新しい悩みが生まれてしまうことがあります。
だけど、これまで問題と感じていなかったのなら、それは問題ではなかったことです。
何をどんな風にとらえるか、そこに問題のカギがあります。
ということで、本日は オンラインカウンセリング無料相談 | ココロノマルシェにいただいたご相談にお答えします。
元のご相談文はこちら
※オンラインカウンセリング無料相談 | ココロノマルシェでは、根本裕幸お弟子さん制度を修了したカウンセラーが、無料で相談にお答えします。
どなたでも何度でも匿名でご相談いただけますので、お気軽にご利用ください(^▽^)
【ご相談】体は大人こころは子ども?
私はいい年になっても落ち着きがなかったり、おしゃべりで話がすぐ飛ぶし、またすごく飽きっぽいです。
自分ではADHDだと思ってました。
先日友人の家に遊び行って、友人が用事を済ましてる間手持ち無沙汰で本棚にあった心理学系の本を借りて読んでました。
その中に「発達心理学なんたら〜」というのがあって読んでみたら、タイトル通りの自分への疑問が湧きモヤモヤしてこちらへの投稿に至りました…。
その本には、人には年代ごとの「発達課題」というのがあって、それを乗り越えないと、いつまでもその年齢に止まって生きづらくなる、とありました。
で、私のADHD的性格は、小学生か思春期の精神年齢と当てはまってて「マジか…」となりました。
また、そこに書いてある「そういう大人が社会でぶち当たる壁」という壁という壁に私はすべてキレイに顔面から突撃していました。
そして今はその壁に四方を取り囲まれたウォールマリア状態(進撃の巨人)じゃん…となりました。
くわえ、どうしてそうなるのか?という理由の「家庭の事情で反抗期を十分にやってない、またはほぼやってない」が決定打でした。
友人にそのショックは伏せて何でもないような顔で「こ、この本面白いね!」と言ったら、友人は保育士をしていたのですが、そういう短大とかで習うわりとメジャーな心理学らしく、あとでググったら「エリクソン」という「アイデンティティ」という言葉を作った人の心理学で教育現場では常識らしかったです。
友人の目に私はどう見えてんだろ…と挿れて貰ったコーヒーがエスプレッソのように苦く感じました。
そう言えばこういう母性強い人しかまともに私の相手ってしてくれてないかも、とも思いました。
「野良猫男子」と言う名の永遠の少年などにお詳しい皆様にこのショックを言ってしまいたくなり、失礼しました(私も野良猫属性です)
鴨川コナンさん
【いなこからの回答】
鴨川コナンさん、はじめまして。いなこと申します。
このたびは、ココロノマルシェにご相談をお寄せくださりありがとうございます。
鴨川コナンさん、とてもおもしろい文章に、思わず笑ってしまいました。
>「そういう大人が社会でぶち当たる壁」という壁という壁に私はすべてキレイに顔面から突撃していました。
とか、
>友人にそのショックは伏せて何でもないような顔で「こ、この本面白いね!」と言ったら、
とか、
>友人の目に私はどう見えてんだろ…と挿れて貰ったコーヒーがエスプレッソのように苦く感じました。
とか。
ウィットに富んだ文章から、鴨川コナンさんのご様子が、臨場感を伴って伝わってきました。
ていうかまず、鴨川コナンというお名前が最高(笑)。
私は平ちゃん派です!
ここ最近で読んだ文章の中で1番笑ったかも。
ほめてます!最高ランクのほめことばです!
さて、心理学系の本を読まれて新たな知識を得たところ、自分に問題があるのではないかとショックを受けられたとのこと。
ありますよねえ。
私は学生時代、心理学を専攻し、その後医療系の仕事に就いたので、鴨川さんのご友人と同じく、エリクソンとかは一応聞いたことはあるのですが(一応聞いたことあるレベルかい)、そんな話はすっ飛ばして、私が思うところをお伝えしますね。
鴨川さんが、少しでも心穏やかに楽しく過ごせる足しになればうれしいです。
唐突ですが、吃音(話すときにどもる症状)の問題の大きさの考え方に、ウェンデル・ジョンソンという人の、立方体のモデルがあります。
こんなものです。
急いで書いたから、細部が汚くて(^^;
雰囲気だけ見てください(^^;
いきなり吃音とかジョンソンとか何の話?わけわからん、と思いますよね。
吃音とかジョンソンとかは、気にせず流してください。一応出典を言っておいただけなので。
ただ私は、このモデルが、他の問題にも応用できると思うので、今日はこれを使ってお話させてください。
「なんかややこしそう」と、ここで読むのをやめられちゃいそうですね(^^;;
どうかもすこしだけお付き合いをば〜
吃音はおいといて、このモデルをもとに、「問題」というものを考えてみると、
問題の大きさ(立方体の大きさ)は、
x(症状(問題そのもの))× y(周囲の反応)× z(xやyに対する本人の反応)
というように、この3つを掛け合わせたもので決まります。
何か「問題」があると、私たちは、その「問題」そのものを何とかしないと苦しみは解決されないと思い、それを変えることに必死になりがちですが、
問題そのものを変えられなくても、
y(周囲の反応)や
z(xやyに対する本人の反応)が小さければ、
掛け合わせて算出される問題の大きさ(立方体の大きさ)は、いくらでも小さくできるということなんです。
この、「問題(x)」というのは何でもいいのですが、たとえば、
パートナーがいない
結婚していない
子どもがいない
浮気された
離婚した
家族関係が悪い
勉強ができない
学校に行けない
仕事ができない
仕事に行けない
家事ができない
お金がない
夢がない
容姿が悪い
性格が変
などなどだとして、
そうだとしても、
y(周囲の反応)が、
「ふーん。だから何なの?」
と大して気にしていなかったり、
「たしかに変わった人だけど、おもしろくて私は好き」
「そういう人だから仕方ないね」
と受け入れれていたり、
z(xやyに対する本人の反応)が、
「私はこうですけど、何か?」
と受け入れて問題を感じていなければ、
問題の大きさは、限りなく小さくできるということなんです。
極端な話、問題そのもの(x)の値が100億(←子どもか)くらい大きなものでも、
y(周囲の反応)や
z(xやyに対する本人の反応)がゼロなら、
掛け合わせるとゼロになる、
すなわち、問題はなくなるということなんです。
x(症状(問題そのもの)) × y(周囲の反応)× z(xやyに対する本人の反応)
=100億 × 0 × 0
=0
最近は、テレビ番組でも、「アウトデラックス」とか、「しくじり先生」とか、「有吉反省会」とか、
ダメすぎるところを笑いや学びや個性にし、かえってそれを武器にしようという向きもありますね。
ああいうのはまさしく、
x(問題そのもの)は大きいけれど、
y(周囲の反応)や
z(xやyに対する本人の反応)を変えることで、
問題を反転させ、武器(魅力)にしたというものだと思います。
今回、鴨川さんは、心理学の本を読んで、
「発達課題をちゃんとクリアできていないと、その段階で成長が止まってしまう(のか?)」
という新たな知識を得られました。
で、もともと自分が落ち着きがないようには感じていたけれど、
今、新たな知識を得て、
「私には重大な問題があるのではないか!?」と、
z(xやyに対する本人の反応)の値が、一時的にカーンと上がってしまった状態なんですね。
問題というか、状況(x)自体は、以前と何も変わっていないのですが。
鴨川さんの発達に問題があるかはわかりませんが、
お寄せいただいた文章を拝読しただけでも、
鴨川さんに魅力がたくさんあることはわかります。
文章だけで笑わせられる文才と、
ユーモアと、
サービス精神。
そして、母性豊かなお友達に、コーヒーをいれてもらえるくらい慕われている。
今、新たな知識を得て、一時的に、自分の「ない」にばかり目が向いてしまっていますが、これまで、その知識がなくても、ここまで生きてこられたという「ある」にいま一度、目を向けられるといいのかなあと思ったのです。
母性豊かなお友達がそばにいてくれていますしね。(y周囲の反応)
お伝えしたいのは、
世間で言われる問題のタイトルや、診断名や、「◯◯障害」といったラベルにこだわりすぎずに、これまで生活できてきたという事実の方を信じるということ。
もし、社会生活に支障をきたしてしんどい、日常生活が大変だということであれば、医療機関など然るべきところに相談してみるのも1つですが、そうでないなら、あまり診断名や、「◯◯障害」にあてはまるかどうかに、こだわりすぎないでいいと思うのです。
そして大事なことは、
エリクソンの理論も、診断名をつけることも、
誰かに「問題あり」のレッテルを貼ることが目的ではなく、
もしそこに不具合があるなら、どうやっていけばその人は生きやすくなるかを探るためのものです。
だから、せっかく得た知識を使って、「私に問題があるのかも」というところで止まらずに、
もしあったとしたら、どうしたら私はより楽しく生活できるかな、というところまでぜひつっこんでみてください(^^)
ちなみに、この、z(xやyに対する本人の反応)に、主にアプローチするのがカウンセリングだと私は思っています。
「一見、問題に見えるけれど、それをひっくり返せば、こういう魅力があるよね」
「あの人のあの態度は、実はこういうことだったんじゃない?」
という発見をして、zの値を小さくしてしくのです。
問題と思っていたものの見方が変わると、問題の大きさは小さくなっていきます。
「ショックを言ってしまいたくなった」というご相談でしたし、
「反抗期を十分にやっていなかった」とのことですが、具体的な内容はお聞きしていないので、
その辺りのお話は今回は置いておきますが、
その辺りを本格的に紐解いて、z(xやyに対する本人の反応)をいい感じにいじりたいということであれば、カウンセリングのご利用をおすすめします(^^)
ずっと応援しています(^▽^)
ご相談ありがとうございました!
何だかこむずかしかったかしらん( ;;)
でもはりきって図も書いちゃったので、公開しました。
わかったとか読みづれーよとかご意見ご感想あればぜひお寄せ下さいませ。
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