こんにちは、カウンセラーいなこです。
昨日の晩は、とうとう本格的に冬がやってきたような夜でした。
今年は久しぶりに、コートを新調しようかなあと思っています。うきうき。
さて、今からお話しすることは、私が以前勤めていた病院で、担当していたとある患者さんからお聞きした、本当にあったお話です。
その患者さんは、4人部屋に入院しておられた、50歳前後の女性の方。
ある夜、人が泣く声で目が覚めたそうです。
耳を澄ますとやはり、静かに、シクシクと泣く声がする。
恐る恐るベッドのカーテンを開けると、隣のベッドで、おばあさんが泣いておられました。
「おばあちゃん、どうしたん?」
と声をかける女性。
そうすると、そのおばあさんは、こう答えました。
「お父さんが生きてた頃は、楽しかったなあと思い出したら、淋しくなって……」
そのおばあさんは、亡くなったご主人を思い出して、さみしくて泣いておられたのです。
夜の病院なんて、昼間とは違い、暗くて静かで淋しい雰囲気です。
ましてや、体調を崩して入院中とあれば、夜はなおさら心細いもの。
そんなときに、頼りにされていた今は亡きご主人のこと、いろいろなできごとを、思い出されたのでしょうね。
その高齢女性(れっきとした入院中の患者さんです。霊ではありません・笑)のそのときのお気持ちを考えると、どうしようもなく切ないのですが、それでも、すごくいい時間を、ご夫婦で重ねてこられたんだろうなあと、うらやましく、すごく愛おしく感じました。
そんな風に思い出してもらえるご主人は、本当に幸せだなあとも。
天からその様子を見ていたら、きっと今すぐ駆け寄って、抱きしめたいと思われたことだと思います。
もちろん、長い夫婦生活、いつもそんな気持ちでおられたのではないかもしれない。
ときにはけんかし、すれ違い、疎ましく思ったこともあったかもしれない。
それでも、過ぎ去ってみれば、そのすべてが愛おしい思い出となるのかもしれません。
てことで、今日はいい夫婦の日なはずなので、いい夫婦エピソードをおすそわけ。
自家製じゃなく輸入品なのが少し残念ではありますが(笑)。
別に、男女の愛の形が結婚だけとは思ってるわけじゃないし、結婚さえすれば幸せになれるとか思っているわけでもないし、むしろ現実はもっと大変なこともあるんだろうし、それがゴールとも思っていないけれど、それでも恋が冷めても簡単には別れられない契約をすることで、長年ともに日常を生活してきたからこその重み、厚み、愛情というものも、確かにあるんだろうなあと思うわけです。
その話を教えてくれた50歳前後の女性は、
「主人が死んだら、私やったらせいせいするけどなあ。ハッハッハ!」
と笑っておられましたが、それも、ご主人が元気で側におられるからこそ言える冗談なのでしょうね。
いい夫婦の日の今日くらいは、いい夫婦エピソードを聞いて、幸せな結婚のアファメーションを。
BGMにはこちらがオススメ!←誰?
安藤裕子さんの「のうぜんかつら(リプライズ)」。
安藤裕子さんのお祖父さんが亡くなられたときに、お祖母さんがお祖父さんを想って書かれた詩を元に、夫婦の愛をテーマに作られた歌です。
やさしいメロディなんだけど、同時に、どうしようもない切なさも感じられます。