こんにちは、カウンセラーいなこです。
寒い。
1週間やそこらで、着る服がガラッと変わってしまいました。
足るを知る。
ないものを数えるより、あるものを数えましょう。
そんな教えを聞いたことのある方は多いと思います。
悩んでいるときは、「自分にはあれがない、これもない、ないないづくし!」って思っているけれど、視点を変えたら、実はすでにたくさん持っていることに気づけますよ、
という教えです。
たしかにそうだと思う。
視点を変えるだけで、解決することって多い。
心の世界では、それがすべてと言っても過言ではないかもしれない。
だけど、自分が悩んでいるときにこれを言われたら、やっぱりちょっと納得がいかないんです、私は。
言われたくない。
人には言ったりするのにね(笑)。
I子「1人はさみしい。結婚したい。」
↑いつものたとえ(笑)
悟りびと(架空)「あなたは本当に1人ですか?ご家族もいるでしょう?お友達もいるでしょう?ほら、1人じゃないじゃないの。あなたの周りには、たくさんの人がいてあなたを助けてくれていますよ。」
I子「……ですよね。……そうですよね……ほんとにそう、そう、感謝してるけど、そうなんだけど……」
おっしゃる通り、I子さんは1人じゃない。
たしかに、大事な人が、大事にしてくれる人が、います。
ないことはないんです。
あるんです。
でも、「ない」って嘆いてるときって、そういうことを言ってるんじゃないんですよね。
たしかに私は1人じゃないけど、家族も友達もいるけど、やっぱりそれは彼氏とか旦那さんとは違うでしょ?
「私」言うてもうてる(笑)。
なんていうか、
「赤い色鉛筆がほしい!」って言っているのに、
「あなたには青い色鉛筆があるでしょ?青があるからいいじゃないの。」って言われているようなかんじ。
たしかに青鉛筆はあるけど、それは赤じゃないじゃん!
まったくの別物じゃん!
青は赤の代わりにはならないよ!
青鉛筆も必要だけど、赤鉛筆もほしいんだよ!
ほしいものは手に入らないけど、それには目をつぶって代替品で我慢しましょう、みたいな。
代替品では意味ないんです!って言いたくなる気持ち。
手に入れたいものは手に入らないんだから、あるもので我慢しなさいって、目くらましでごまかされているようで、納得いかなかったんです。
そしてそう言うことで、それ以上要求させない、何も言わせない雰囲気。
そういう視点が大事なのはわかります。
当たり前に持っているもののありがたさを忘れて、ないものばかりを求めているのは不幸な生き方です。
だけど、「ないない」と思っている最中にそれを言われても、やっぱりなかなか受け入れがたい。
で、この「あるものに目を向ける」という教え、
「『代替品』があるから良しとする」って思うやり方より、
「ないことで同時に得られているものを見つける」というやり方の方が、私にはしっくりきたんです。
さっきの、
「1人はさみしい。結婚したい。」という「ない」の場合。
いい年して結婚した経験がないということは、同時に、いい年して独身で生活しているという経験があるということ。
結婚していないということは、同時に、結婚していないという経験があるということ。
そこには、
自分で生計を立てている、
1人の自由な時間がある、
いろんな人と堂々とデートできる、
そんなものたちが、「あり」ます。
そして何よりさみしいときも1人でよくがんばってるっていうがんばりがあるじゃん!
えらいよI子ちゃん!(笑)
赤鉛筆がないということは、赤を使わずに表現するという経験がある。
「ない」ということは、他の何かが必ず同時に「ある」ということなんです。
必ずある。
例外はない。
だから、ないという気持ちを和らげるために、代替品として別にあるものを探すんじゃなく、「ない」を裏返して「ある」に変えてみる。
学校に行っていないということは、学校に行っていないという経験があるということ。
働いていないということは、働いていないという経験があるということ。
健康でないということは、健康でないという経験があるということ。
そしてその経験には、もっと具体的にどんな「ある」が付随してくるかを考えてみる。
さらに、みんなが普通にしていることができていないなら、逆に言えば、かなり貴重な経験をしているとも言えます。
そう思うと、ちょっと励まされません?
みんながしていることができていない
↓
貴重な経験をしている
ただ「ない」と嘆くより、
「ない」という気持ちをなぐさめるために、代わりに別のものがあると無理に思おうとするより、
「ない」もの自体を裏返して「ある」にする方が、私にはしっくりきます。
そしてそうすることで、実はその、裏返したときに「ある」ものがほしくて、「ない」状態に甘んじているんじゃないか?なんてことが見えてくるんです。
・・・怖い(笑)。
長くなるので、この話はまた今度。
ただのことば遊びのへりくつのようだけど、案外核心をついているんですよね。