いつ、思いっきり幸せになるのか。幸せが冷めたときのためにも、幸せな思い出はいっぱいあった方がいい。
‘それなりに’うまくいっている→を→‘おもいっきり’しあわせに
こんにちは、カウンセラーいなこです。
バスサンド見ながらご飯食べてると、月曜も悪くないと思える月曜の夜です。
あーだけど月末業務ウィークです。
それだけで、気忙しく感じてしまう。
眠い。
さて、楽しいとき、幸せなとき、思いっきりよろこんで、その幸せを味わえていますか?
楽しいけれど、こんなに手放しで楽しんで大丈夫かな、と少し不安になって、うれしい気持ちを抑えようとしてしまうことはないですか?
今日は、おもいっきりのしあわせを享受するためのお話を1つ、書いてみたいと思います。
吉本ばななさんの「TUGUMI」という小説に好きなセリフがあります。
言わずと知れたヒット小説なので、読んだことがある方もいらっしゃるかもしれません。
またまた私の記憶の中だけのストーリーですので、正確ではありませんが、そのシーンはこんな感じです。
語り手のまりあは、大学生です。
ちなみに、タイトルにもなっている「つぐみ」は、まりあのいとこです。でも今日の話に、つぐみは出てきません(笑)。
まりあは訳あって、お父さんと最近暮らし始めたんですね。
まりあのお父さんは、まりあのお母さんとは別の人と結婚していました。
お父さんは、家庭というものを作りたかったけれど、前の奥さんはそういうタイプではなかった。
お父さんは子どもも欲しかったが、前妻は欲しくない人だった。
それで生きる方向性が違うので、お別れしたのですが、離婚が成立する前に、まりあのお母さんと出会い、まりあをもうけました。
すんなりと離婚できず、お父さんは実質、通い婚のような状態で、長年まりあとお母さんの住む家に通っていた。
そしてやっと離婚が成立し、最近3人で暮らし始めた。
そんな感じの設定だったと思います。
お父さんは、3人で暮らせることがすごくうれしくて、毎日のように、会社帰りに、お母さんとまりあに、おかしなどの手土産を買って帰ってきます。
まりあは、お父さんのそのはしゃぎっぷりを見ていて、少し心配になり、お父さんに言います。
お父さん、あんまり最初から飛ばしすぎて、無理しないでね。
今はものすごく楽しいけれど、最初に飛ばし過ぎちゃうと、息切れして冷めてしまうといけないから。
というようなことを言うんです。
すると、お父さんは、こんなことを言います。
お父さんは、お母さんとまりあと暮らせることが本当にうれしいから、はしゃぎたいんだ。
したくてしているんだよ。
それに、いつか冷めたときのためにも、楽しい思い出はいっぱいあった方がいいんだ。
お父さんのこのセリフがすごく好きで。
※主旨はこんな感じだったと思いますが、正確ではまったくありません。
まりあの気持ちも、わかる気がするんです。
今がすごく幸せ。
だけど今がすごく幸せだと、その反動で、いつかどんでん返しが来るんじゃないか。
今は幸せだけど、そう長くは続かないんじゃないか。
結局失うときが来るんじゃないか。
後でがっかりしたくない。
後で落胆するのが怖いから、あまりよろこばないでおこう。
はしゃがないでおこう。
そんな気持ち。
誰の心にも、「手放しでよろこぶことの怖さ」みたいなものは、潜んでいる気がするんです。
それはもしかして、先のことなんて考えず、無邪気にはしゃいでいた小さな頃に、突然悲しいことが起こるというような経験をしたからなのかもしれないけれど。
はしゃぎすぎて動き回っていたらけがをして、楽しい遊びの時間が急転直下みたいな経験は何度かあります私(笑)。
だけど、まりあのお父さんが言うように、
今の幸せが薄れたときのためにも、
楽しい思い出はいっぱいあった方がいいんだなと思ったんです。
たとえば、恋する2人が熱く燃え上がっていたとして、
時とともにその熱も落ち着いて、
気持ちが凪いでしまうときが来たとしても、
「あのとき、あんなことしてくれたなあ」
「あのとき、すごく通じ合った感じがしたなあ」
そんな思い出があれば、その思い出がまた、心を温めて、相手に感謝させてくれる。
幸せな思い出たちが、今の2人を助けてくれることもあると思うんです。
私は、もし甥が、
口の悪いヤンキーになったとしても、
青ひげのむさくるしい中年になったとしても、
パタパタと私に向かって笑顔で走って来てくれる幼気な甥を知っているから、
ずっと一生かわいく思うと思う。
今、楽しいのに、
今、幸せなのに、
先のことを心配して、今それを味わわないで、いつ味わうのでしょう。
一体いつ、思いっきり幸せになるのでしょう。
たしかに、今幸せでも、それが下火になるときは、いつかやってくるかもしれない。
でもだから、よろこばないようにするんじゃなくて、
そういうときのためにも、思いっきり今の幸せを味わった方がいい。
幸せな思い出は、いっぱいあった方がいい。
先読みのしすぎなんてせず、「今、ここ」を思いっきり感じる。
結局、これに尽きるのだと思います。
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