「ノートルダムの鐘」をちょこっと心理学的に考察①ー怖れに基づいたエゴの声ー
'それなりに'うまくいっている→を→'おもいっきり'しあわせに
こんにちは、カウンセラーいなこです。
さてちょっと間があいてしまいましたが、本日は以前の予告通り、「ノートルダムの鐘」の1シーンを題材にさせていただき、ちょこっと心理学的に考察したいと思います。
「ノートルダムの鐘」といっても、ヴィクトル・ユゴーの原作や、それを元にしたディズニーのアニメ版などありますが、ここでお話しするのは、私が先日観劇した劇団四季のもの(原作小説を元にしたディズニーのミュージカルを日本版にしたもの)になります。
石にならないでよカジモド・・・劇団四季「ノートルダムの鐘」を観てきました! ←簡単なあらすじも書いてます
怪物と人間の違いを教えてほしい―劇団四季「ノートルダムの鐘」を観てきました!
さてさて、考察させていただくシーンは、「石になろう」です。
感想でさんざん書いた「石になろう」でございます。
ここからネタバレですよー!
私はねー、やっぱりあそこが1番グッときたんですねえ。
カジモドが、エスメラルダを助けようと行動するも、フロローの罠にかかり、失敗するどころか事態はよけいに悪くなるんですね。
「石になろう」は、カジモドが勇気を出してエスメラルダを助けようと挑戦したけれどうまくいかず、自分に失望し、希望を捨てて塞ぎ込もうとする歌です。
「石になろう」がどういうシーンかご存じない方は、こちらをご参照くださいね。
この歌詞が、まさに、「エゴの声」なんですね。
この「石になろう」の歌詞は、エゴが言いそうなことが、すばらしく網羅されているんです。笑
「現実を見ろ」とか、
「(励ますことばに対して)気休めはもうたくさん」とか、
「夢はいらない」とか、
「あこがれるのはやめた」とか。
そして、ご主人様(フロロー)の
「世間は残酷だ」
「隠れて生きろ」
ということばの方が本当で、そちらを信じる方がマシだ
と歌います。
正しくは「石になろう␣ノートルダムの鐘␣歌詞」でご検索ください。
このフロローの教えも、エゴの声ですよね。
今回は掘り下げませんが、フロローの思考、行動も、エゴな部分が大いにあると思われます。
そんな夢も希望もない悲しいことを言ってくるのがエゴなのですが、自分の敵かというと、そうとも言えないんですね。
エゴとは、いまやよく聞かれる用語ですが、怖れに基づいたマインドを指します。
マインドなので、もちろん自分の中にあるものです。
このときのカジモドのように、何か辛いことがあって、傷ついたとします。
そうすると、エゴは、もう2度と傷つかないように、防衛的な提案をしてきます。
また傷つくことを、エゴはすごく怖れているんです。
たとえば、失恋した経験から、
「もう恋なんてしない方がいい」とか、
「あんな素敵な人が私を相手にするはずないから告白なんてしないでおこう」とか。
彼氏に浮気された経験から、
「男なんてみんな浮気するものよ、男なんてあてにならない」とか。
何かに挑戦して失敗した経験から、
「チャレンジなんて無駄、無難に過ごすのが1番」とか、
「あんなのできるのは一部の恵まれた人だけだからやめといた方がいい」とか。
誰かに裏切られた経験から、
「人は裏切るもの、だから最初から誰も信じないでおこう」とか。
助けてもらえなかった経験から、
「もう誰も頼らず、1人で生きていく」とか。
こういった怖れに基づいた思考って、多かれ少なかれ、何かしら誰にでもあると思います。
エゴのこうした提案は、一見もっともらしく思えます。
そして、短期的にはうまくいくんですね。
たしかに、もう恋なんてしなければ、失恋することもない。
チャレンジしなければ、失敗することもない。
夢をみなければ、敗れることもない。
人を信じなければ、裏切られることもない。
人を頼らなければ、がっかりすることもない。
大聖堂に閉じこもって暮らしていれば、ある程度安全かもしれません。
ですが、長期的には、エゴのやり方に従っていくと、どんどんと人と分離し、孤独になり、破滅の方へと導かれます。
人との関係を断てば、たしかに他人との摩擦はなくなります。
触れることもないのだから摩擦の起こりようがないですが、いくら安全で人との摩擦がないからといって、人を好きになる気持ちを抑え、したいことから目を背け、誰のことも信じず、誰にも頼らず、人と心から笑い合うこともなく1人で生きていく毎日に、ワクワクや充実感、満たされた気持ちや幸せがあるでしょうか。
傷つくことはなくとも、心が死んだようになってしまいます。
人とつながれたときにこそ、人は深いよろこびを感じることができるものだから。
怖れに基づいた防衛的な声という点では、エゴの声は、アラーム音のようなものと言えるかもしれません。
夢も希望もないことを言ってきますが、傷つかないよう自分を守ろうとしているんですね。
そっちに行ったらダメ!
どうせ傷つくんだから!!
絶対ダメ!!!
ダメったらダメーーーっ!!!!!
必死なんです。
いつかのようにまた傷つくことが、すごく怖いから。
意地悪というより、必死な怖がりさんなんですね。
ですから、エゴの声を無理に打ち消そうとすると、よけいに騒ぎ出します。
ポジティブに考えようと、無理にネガティブな自分の考えを打ち消そうとしたらぜんぜんそんなふうに思えず、よけいに気分が悪くなったことはありませんか?
エゴの元となっている怖れを無視して、無理に打ち消そうとしたら、「ダメダメダメ!!!ほんとにそっちは危ないんだってば!!!」と怖れからいっそう必死に警告し説得してきます。
ではどうすればいいのか。
……というお話は、長くなってきたので次回にいたしますね。
「もう恋なんてしない」から、「もう恋なんてしないなんて言わないよ絶対」まで持っていかなきゃね!←鐘関係なくなってますやん
お読みいただきありがとうございました!!!
また見に来てくださいね。(らぶ)
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▽いなこの雰囲気はこんな感じです。
「やわらかい関西弁が聞き心地よい」とのありがたいお声をいただいています(‘∀‘)
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