こんにちは、カウンセラーいなこです。
あなたは、いただきものをしたとき、素直に喜びを表現できるタイプですか?
私は、今でこそだいぶ喜べるようになったけれど、まだぎこちなくなることがあります。
昔はもっと、でした。
学生時代、家庭教師のアルバイトをしていたのですが、そこで、生徒さんのお母さんが、お茶やお菓子を出してくださることがありました。
会社としてはたぶん、いただき物をしてはいけないという規則だったと思うし、毎回気を遣っていただくのも申し訳ないので、お断りしますが、どう言っても、「これくらいいいやん」、「会社には内緒にしといたらいい」と(笑)、厚意で出してくださるおうちもありました。
「してあげたい」というご厚意をとても感じるし、断固として一切受けつけないのも、かえって失礼だし、お気持ちをむげにしてしまうので、いただくこともありました。
でもそんなとき、すごーく先読みをして、どんな顔をしていいのかわからなくなってしまっていたのです。
お茶やお菓子をいただいて、おいしいし、お気持ちもありがたいけれど、ここで、
「おいしーい!うれしーい!ありがとうございますー!!!(キラキラ)」
と喜んでしまったら、
次も出してくれと催促することになるんじゃないか、
またいいものを出さなきゃというプレッシャーをかけてしまうんじゃないか。
そんなことを考えて、喜びや感謝をどのくらい出したらいいか迷ってしまうんです。
結果、せっかくしてもらってるのに、微妙な喜び度合いでお礼を言うという(笑)。
すごーく相手のことを考えに考えて、感謝しての、「微妙な喜び度合い」なんです。
でもそんな私の思考過程なんて、相手にはわからないんですよね。
次回のおやつ催促のプレッシャーをかけないがための微妙な喜び具合だなんてことは伝わらず、単に、
「そんなに好きじゃないのかな」
「かえって迷惑だったかな」
「反応の薄い人なんだな」
程度にしか映らないんですよね、相手には。
自分が誰かに何かをやってあげた時を振り返ると、喜んでくれたからって、
「ああ、喜んでるから次回は今回を超えることをやってあげねば……!」
とかいうプレッシャーを感じたりはしていないんです。
次はもっと喜ばせたいな、とは思うかもしれませんが、プレッシャーではない。
それより、喜んでくれたら、単純にうれしい。
それだけのことなんです。
欧米の子どもは、プレゼントをもらったら、飛び跳ねて全身で喜ぶイメージですが、それに比べると日本人って、子どもでさえ感情表現は控えめな子が多い気がします。
何かもらっても、はにかんで静かに笑ってる。
そんなシーンが多い。
もともとの気質と、周りの大人たちからの学習なのかなあ。
ともかく、すごく相手のことを考えに考えて、感謝もしているのに、それがみじんも伝わらないし、相手にもかえってさみしい思いをさせてしまうので、今は単純に喜ぶようにしています。
あれこれ考えて加工せずに、「うれしい」、「ありがたい」という気持ちを、そのまま出す。
図々しくもらっている人が、いい見本になりました(笑)。
周りを見渡すと、そういう人ってたくさんいるんですよね。
笑顔で受け取ることで、相手を喜ばせる人。
落ち着いて周りを見ると、「あ、そんなんでいいんやー」って緩ませてくれる人はたくさんいます。
いろいろ考えてるんですよー、こう見えて(笑)。
逆に言えば、他人のそっけない反応とか、イマイチな反応の中にも、こっちが思ってもみない心遣いがあるのかもしれない。
だから、人の態度にいちいち傷つくこともないなとも思うのです。
思ってる以上に、人ってやさしいよ。