連日、古き良きタイトルで失礼します(笑)。
世界で、人種差別問題がクローズアップされていますね。
大学の一般教養の授業で、「差別と社会」という、差別を社会学的に検証するという授業をとっていました。
特に考えず、おそらく先輩に、単位がとりやすい授業だと聞いてとったんだと思いますが、これが意外にとてもおもしろかった。
私が受けた中学校までの差別教育って、「差別してはいけません」、「○○というのは差別用語で、そんなことばを言ってはいけません」、「人権を大事にしましょう」、そういうのの一点張りで、なんだかかえって一般的に「差別されやすい人」には触れてはいけないという空気を作るだけ、なんとなく暗ーい、タブー感を作りだしているだけのように私は感じていました。
でも、大学のこの授業は、単に差別はいけませんという人権啓発だけが目的ではなく(最終的にはそこにつながっていくんでしょうけど)、学問ですから、差別を社会学的に研究することに主眼が置かれていていました。
あらゆる、とは言わないけれど、たくさんの種類の差別を取り扱っていました。
人種差別、男尊女卑、性的マイノリティー、職業による差別、部落差別、病気、障害についてなど。
差別の背景には、少数派のため異端に見られやすいという人間の認知パタン以外にも、政治的な背景とか、時代背景、宗教的な背景など、いろんな要因があります。
時の権力者が、うまく民衆をまとめるために意図的に仕向けたりとか、そういうものもあるようです。
こういうことを「知る」のは、とてもいいなあと思いました。
知らないことが、怖さとか異様さとか、タブー感を生み出したりするんですよね。
その授業の先生のゼミでは、実験として、男子学生が本格的な女装をして街を歩くということをやってみたそうです。
それだけのことですが、男子学生にはたくさんの気づきがあったとか。
男性の自分が見られている時とは違う、女性を見る人の視線に気づいたり、些細なことですが、パンストの窮屈さとか、メイクをしたらかゆくても顔をかけないこととか。
知ってみると理解が深まって、自然と尊重する気持ちが生まれるということは大いにあるのだと思います。
その先生が、
「豪華客船に乗ったときに情熱的な恋に落ちて、その恋人を船の事故で亡くした人しか『タイタニック』に感動しないのか?そんなことはないだろう。」
と言っていました。
確かに(笑)。
人間って、経験していないことでも、経緯をよく知れば、共感できたりするんですよね。
一見信じられないようなことや異様に思えることでも、「知る」ことで、かなり理解できるようになります。
どうしてそういうことになったのかの経緯を知れば、共感まではできなくてもある程度は納得できたりするものです。
妻夫木聡さん主演で映画化された、吉田修一さんの「悪人」とかは、おもしろいですよ。
もちろんそれでも、経験した当事者にしかわからない部分というのはどうしてもあるし、すべてを理解することができると思うのは傲慢で、それはそれで不幸のもとだとも思います。
でも、
わかるような気がします、
わかりたいと思っています、
そういう姿勢が解決してくれることもたくさんあると思うのです。
そして、差別って、自然界に最初からあったものではないですよね。
生き物の種類や、個体差による「差異」はあるけれど、そこに「優劣」はない。
絶対値はあっても、ベクトルはないと思うのです。
人間が、そこに優劣を後付けしているんですよね。
自然現象ならなくならないけれど、人間が作ったものなら人間がなくすこともできる。
だから、知りましょう。
昨日の話にも通じるけれど。
知れば、差別というものはおのずとなくなっていく気がします。
そして差別とかいう話じゃなくてもね。
はらわたが煮えくり返るくらい嫌いな人、苦手な人を知ることによって、
あなた自身が、楽になるかもしれません。
実は誰も悪くなかったことを、知りにいきましょう。
カウンセリングってそういうものでもあると思うんです。
だからみなさん、何でも話しに来てくださいねーーーーー!(また・笑)