'それなりに'うまくいっている→を→'おもいっきり'しあわせに

「それなりに恵まれている方だと思うし、それなりにうまくやってきた。・・・あれ、’それなり’って何だろう?」悪くない人生のはずなのに、心から幸せと言いきれない、このままで終わりたくないと思ってしまう。そんなあなたに’おもいっきり’のしあわせを。 @カウンセラーいなこ

「オペラ座の怪人」をちょこっと心理学的に考察④ーラウルの愛、怪人の取引―

 「オペラ座の怪人」をちょこっと心理学的に考察④ーラウルの愛、怪人の取引―

 

新年あけましておめでとうございます!

 

年が明けても、私の冬休みの道楽、オペラ座の怪人を好きに考察するシリーズの続きです!

冬休み、すぐ終わっちゃうな〜。

 

 

今日は、ラウルの愛、怪人の取引です。

 

このシリーズをはじめて読む方は、ながーい前置きがあるので、必ずこちらからお読みくださいねっ!

www.aikoingk.com

 

オペラ座の怪人をちょこっと心理学的に考察シリーズ】

①怪人とペルソナ

②怪人の母と罪悪感

③クリスティーヌと投影

 

ここからネタバレしますよーーー!

 

 

ラウルの愛、怪人の取引

 

四季版の「オペラ座の怪人」のストーリーは、クリスティーヌと怪人とラウルのわちゃわちゃから始まるのではないんですよね。

 

そんなこと、観たことある方にとっては当たり前すぎて何ゆうてますのて話ですが。

 

クリスティーヌと怪人とラウルがわちゃわちゃした一連の事件の、半世紀後から舞台は始まります。

 

オペラ座で、オペラ座から出てきた骨董品なんかのオークションをしているシーンからです。

 

このオークションシーンも好きっていう方が多いんじゃないかと思うのですが、知ってる方には、「今から始まるぞー!」とワクワクが止まらないシーンですよね。

 

初見の方には、「よくわからないけれど、何だこのどこか不穏な空気感は、、」とさっそく引きつけられる場面だと思います。

 

で、このオークションで、1人の老紳士が、お猿のオルゴールを競り落とすんですね。

お猿が音楽に合わせてシンバルを叩くオルゴールです。

 

競り落とした老人がそのオルゴールを手にして、

「オルゴール、これだ……あの人がいつも言っていた……」

と言うんです。

 

その老人こそ、年老いたラウルなんですね。

 

 

この冒頭のシーンに、キーとなるグッズや、キーパーソンやキーワードが、たくさん散りばめられています。

 

観客はここで、

このおじいさんは誰?

オルゴール?

あの人?

いつも言っていた??

と、引きつけられます。

 

 

若くかっこよかったラウルがおじいさんになって、クリスティーヌはもう亡くなっている。

そのシーンから物語は、若き日のクリスティーヌ、ラウルと怪人をめぐって起こった半世紀前の一連の事件にさかのぼります。

 

 

っかー!

この始まり方が粋ですよねー!

 

すべて見終わった後、観客は、「あ、あの最初のおじいさんはラウルで、あのオルゴールは怪人の家にあったあれで、"あの人"はクリスティーヌのことだったのか……!」と、冒頭のシーンを思い出してまた楽しめるんです。

 

そして、「え、じゃあオークションにいた他の人はもしかして……?」と、もう1回観て確かめたくなる。

 

はい、これで立派にあなたも沼落ちです。笑

 

 

オペラ座の怪人」は本当に見どころがたくさんあってというか、すべてが見どころなんですが、この冒頭シーンもすごく好きなシーンです。

 

ちなみに私は、「逃げ出すことでありましょうー!」は迫力満点に言ってほしいタイプです。

初めて観たらビクッとなるよね。笑

それと鉄砲誤射シーンは、何回観てもビクッとなる。笑

 

 

と、話がそれましたが、ここで書きたいのは、この冒頭シーンのすばらしさじゃなくて、ラウルについてなんですよね。

 

ラウルの、

「オルゴール、これだ……あの人がいつも言っていた……」

というセリフ。

 

深い。

実に深いんです。

 

ご存じない方のために手短にご説明すると、このオルゴールというのは、手回しで鳴らすと、オルゴールに乗っているお猿さんが動いてシンバルを叩くというものです。

 

それは、オペラ座地下の怪人の棲家にあったものなんですね。

おそらく発明家でもある怪人が作ったものと思われます。

 

それから何十年も経った今、オペラ座から発見されて、オークションにかけられているんです。

 

 

ラウルのこのセリフから、ラウル自身はそのオルゴールを見たことはないけれど、"あの人"から伝え聞いていたんだなということがわかります。

 

"あの人"とは、妻であるクリスティーヌなんですね。

 

「あの人がいつも言ってい」と過去形になっていることから、あの人は今はいない、亡くなっているということがわかります。

その後のセリフでさらに決定的にわかるのだけど。

 

クリスティーヌはそのオルゴールをその昔、怪人の棲家に連れてこられたときに見ているんです。

 

よほど印象深かったんでしょうね。

一連の事件が解決して、怪人がいなくなった後も、そのオルゴールの話を何度もラウルにしていたんでしょう。

 

見たことはないものの、クリスティーヌが何度も話すので、ラウルの印象にも残っていたそのオルゴール。

それがオークションにかけられたとき、ラウルは、これのことだ、と思って、亡きクリスティーヌを偲んで競り落とすんです。

 

 

オペラ座の怪人」は、平たく言えば、クリスティーヌに恋する怪人とラウルの三角関係の物語なのですが、クリスティーヌは2人の間で揺れながらも、最後はラウルと結ばれます。

 

でも。

クリスティーヌは、ラウルと一緒になってからも、怪人の家で見た、このお猿のオルゴールのことを、何度も話していたことがこの冒頭シーンでわかります。

 

ラウルが「いつも言っていた」と感じるくらいに。

 

それは怪人云々ではなく単に、「こんな珍しいオルゴールがあったのよ」というような話しっぷりだったのかもしれません。

 

もしそんな感じで、クリスティーヌが自覚していなかったとしても、怪人を象徴するそのオルゴールについて何度も話すということは、やはりクリスティーヌの心の奥には、怪人が大きく存在しているんだなと感じさせます。

 

ラウルは、クリスティーヌは自分を選んだけれど、クリスティーヌと怪人との間には、また自分とは別の、自分には入り込めない繋がりがあるように感じていたんじゃないかと思うんです。

 

怪人は、見た目は醜く、悪いこともいっぱいした。

だけどクリスティーヌにとっては、自分の才能を見出し、引き出し、オペラ座のスターに育ててくれた恩師でもあります。

 

そして、肉親のいない寂しいクリスティーヌの元に、お父さんの面影を感じさせる"音楽の天使"としてやってきてくれた人です。

 

最後は修羅場になるけれど、怪人には恩もあるし、いい関係だった時期もあるんですよね。

 

 

何より怪人とクリスティーヌの間には、「音楽」という絆があったのも大きいでしょう。

 

ラウルは、およそ非の打ちどころのないイケメンハイスペ貴族ではあるけれども、音楽という点では凡人です。

たぶん。笑

 

その点では、イケメンハイスペ貴族のラウルも、怪人にかなわないという無力感があったかもしれません。

 

 

だからラウルも、最終的にはクリスティーヌと結ばれたものの、一点の曇りもなく

「クリスティーヌは僕のことだけを見ている」

とは感じられなかったんじゃないかなあと思うんです。

 

クリスティーヌのどこかに、自分では埋められない隙間があるような。

 

 

それでも。

ラウルはクリスティーヌと添い遂げたんです。

 

ラウルは、心の奥の奥に、自分以外の男性を住まわせているクリスティーヌを愛し続けたんです。

クリスティーヌの奥に住む怪人ごと愛したんです。

 

 

これは、心理学的にも立派な"愛"です。

 

「自分のことだけを愛してくれるから愛します」

というのではなく、相手を丸ごと受け入れるとコミットする。

相手を思い通りにコントロールするのではなく、見返りを求めるのでもなく、ただその人のあるがままを愛する。

 

正真正銘の愛です。

 

 

もちろんラウルも、時には嫉妬したり、苦しかったり苛立ったこともあったかもしれない。

 

それでもその都度、クリスティーヌを愛することを選択してきたんですよね。

 

 

だからね、やっぱりラウルは懐の深いいい男だと思います。

 

クリスティーヌの男を見る目は間違ってなかったよ!!!と言ってあげたい。

誰やねん

 

 

そんなこんながあって、亡き妻の思い出の品を競り落として偲び、またそれを妻の近くに置いてやろうというラウルの懐の深さがわかる濃いーい冒頭シーンなんですね。

 

っかー!

粋だねぇ!

 

 

 

さて。

「愛」に似て非なるものに「取引」があります。

 

心理学で言う、「取引」とは、見返りを期待して、何かをすることですね。

 

「私がこれだけしたんだから、ちゃんとお返ししてよね!」とか、

「これだけしてあげたんだから、私のこと好きになってよね!」とか。

 

相手のよろこぶことをしてあげるという点では、愛と取引は一見同じに見えるんですが、スタートが違います。

 

「愛」は、見返り云々ではなく、「自分がそうしたいから」している。

その行為自体が、自分のよろこびなんですね。

だから究極を言えば、相手の反応は何でもいいんです。

 

一方の「取引」は、したくてしているというより、「これをしたらきっと愛してくれるだろう」と、見返りありきでやっていることなんですね。

 

だから、相手から期待通りの反応が返ってこなかったら、がっかりしたり、腹が立ったりしてしまう。

 

 

怪人がクリスティーヌに歌を教え、主役になるよう仕向けたのは、取引と言えます。

クリスティーヌがラウルといい感じになったら、愛を与えたのに裏切られたと怒っていますし。

「君は私のもの」って何回言うねんってくらい、クリスティーヌを独占し、コントロールしようとしていますしね。

いや、私は怪人にそう言われたいよ?笑

 

それは、今言った定義から言えば、真の愛ではないと言えるんですね。

 

よく考えたら、勝手に歌を教えて、勝手に裏切られたと怒るのも、なかなか迷惑ですよね。笑

怪人の才能と存在感があまりに圧倒的なので、そこはあまり気にならないのですが、「仕事やるから俺の女になれ」と言うプロデューサーと通ずるものがあるかもしれない。笑

 

 

、、、だからといって怪人を責める気には毛頭なれないんですね、私は。

 

実際には人の心は、「100%の愛」とか、「100%の取引」とか、パキッと分かれるものではありません。

 

ただ自分のよろこびとしてやっていることでも、やっぱりよろこんでくれた方がうれしいし、それで自分にいい印象を持ってくれたらなーって思うのも自然なことです。

 

これは「愛」か「取引」か?とか頭で考えすぎて、無理に高潔であろうとすることもないしね。

 

相手に好かれたい一心でいろいろがんばるのも、恋愛初期にはよくあることですよね。

それが100%取引で、邪悪なものかといえばそうとも言えないと思うんです。

 

だからちょっと独りよがりで取引チックではあるけれども、怪人なりには良かれと思ってやったことだったと思います。

 

 

と、ちょっと怪人にダメ出ししてしまいましたが(笑)、最後に、怪人が、ラウルとクリスティーヌを逃してやったとき。

 

あれは、怪人が「愛」を選択した瞬間ですよね。

 

 

クリスティーヌを(怪人的には)横取りした憎きラウル。

プライドもズタズタにされた。

ここで2人を逃せば、2人はくっつくだろうし、自分は1人になってしまうことはわかっている。

そんな2人を見せつけられるのは惨めです。

辛いです。

悲しいです。

 

それでも、クリスティーヌの幸せのために、2人を逃してやるんです。

 

苦しんで、葛藤しながらも。

 

 

すごいよ怪人!!!

 

ずっと愛を知らずにきた辛い人生だったのに、あの短時間でめちゃくちゃ成長してるよ!!!

 

 

ラウルもいい男だけど、怪人もかなりのポテンシャルを持ってますよね〜。(らぶ)

のびしろがすごい。

 

もちろん怪人がそうやって愛を選択できたのは、クリスティーヌの愛を目の当たりにしたからですが。

一瞬で怪人の価値観を変えてしまうくらいの衝撃だったんですね。

 

 

ということで、クリスティーヌは愛を知った怪人を選んでもまた、幸せになれたかもしれないなあ。

 

、、、いや、やっぱり天才奇才すぎて、一緒に暮らすのは大変かな。笑

 

天才は遠きにありて思ふもの。

それでいいのかもしれない。。。

 

 

 

今日もお読みいただきありがとうございました!

 

次回は最終回、怪人とセクシャリティです。

お楽しみに〜!

 

 

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